外壁の汚れはそのまま放置すると美観を損なうだけでなく、建物の耐久性にも悪影響を与えます。
特に窯業系サイディングの外壁の場合、中でも白やベージュ系の明るい色合いの外壁の場合は、汚れが目立ちやすく、早い方で新築から3~4年で黒ずんだ汚れが目立つようになってきます。
住みながらどんどん汚れていく外壁を毎日眺めてどうすればいいものか・・・と、悩む方も多くいらっしゃるかと思います。
この記事では、外壁の汚れが気になってきた方へ、自分でできる外壁洗浄の方法を紹介します。安全に作業するためのポイントも含めてお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
なぜ外壁は汚れるのか?

そもそも外壁はなぜ汚れていくのでしょうか。以下に、外壁が汚れていく主な原因を説明します。
- 雨水と湿気
雨水は、空気中の汚れや花粉を含んで外壁に降り注ぎます。また、湿気の多い環境では、外壁が常に湿った状態になるため、カビや苔が繁殖しやすくなります。これらの微生物は、外壁の表面に黒ずみや緑色の汚れを発生させます。 - 紫外線
紫外線は、外壁の塗装を劣化させ、色あせや表面の荒れを引き起こします。劣化した塗装は汚れを吸着しやすくなり、外壁が汚れやすくなる原因となります。 - 大気汚染
車の排気ガスや工場からの煙などによって大気が汚染されています。これらの汚染物質が外壁に付着し、黒ずみやすす汚れを引き起こします。特に、風向きや建物の位置によっては、これらの汚れが顕著に現れることがあります。 - 風と砂ぼこり
風によって運ばれる砂やほこりが外壁に付着します。特に、風の強い日や砂ぼこりが多い地域では、これらの汚れが外壁に積もりやすくなります。時間が経つと、これらの汚れが蓄積し、外壁の美観を損ないます。 - 樹液や鳥のフン
建物の近くに樹木がある場合、樹液や花粉が外壁に付着することがあります。また、鳥のフンは酸性が強く、外壁の表面を傷める原因となります。これらの汚れは、取り除くのが難しく、放置すると外壁の劣化を招くことがあります。
これらの要因が組み合わさることで、外壁は徐々に汚れていきます。定期的なメンテナンスを行うことで、外壁の美観と耐久性を保つことができます。
一般的によく「10年に一度は外壁塗装」と言われますが、外壁塗装をする場合、足場の費用などを含めるとかなりの高額になってしまいます。新築時に「将来の外壁塗装代に月に1万円づつ貯金してくださいね」などと言われることもあるくらいですから、一般的な住宅の場合、100万円前後は外壁塗装代にかかることになることが多いです。
いずれ外壁塗装が必要になる時期はきますが、定期的な洗浄をすることで、外壁塗装の時期を先に延ばすことは可能となります。

自分で外壁洗浄をする際の方法
外壁を定期的にメンテナンスするには、何と言っても専門の業者に依頼するのがおすすめですが、できれば自分で洗浄することはできないだろうか?と考えられる方もいらっしゃるかと思います。
ここで、自分で外壁洗浄をする際の方法についてご紹介していきます。
洗浄後は外壁を乾燥させることが重要なので、天気の良い午前中に作業するのが良いでしょう。
また、安全に作業するためのポイントも含めてお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
注意点
自分で外壁洗浄をするにあたり、注意事項がありますので、下記の点に気を付けて安全に行うようにしてください。

- 高所の作業は危険が伴いますので、長いはしごなどを使って作業をすることはしないようにしてください。
- 外壁にひび割れや劣化が見られる場合は、まず外壁の修理を行う必要がありますので、自分で洗浄をするのは控えてください。
- 洗浄の際に高圧洗浄機を使用する場合は、水圧を「弱」にするなどして、きつい水圧を当てないようにしてください。高圧のままで洗浄機をかけてしまうと、外壁の塗装を傷めてしまうので注意が必要です。
- 晴れていても、風の強い日などは危険ですので、天候が安定している日を選んで行うようにしましょう。
- 不足の事態に備えて、できるだけ2人以上で作業を行うようにしてください。
- 作業前に窓やドアなど閉まっているか確認しておきましょう。
- 濡れたり洗剤がかかっては困るものがあれば、シートをかけるなどして保護しておきましょう。
必要な道具
- 水道ホース、または高圧洗浄機(水圧は「弱」で使用)
- 洗浄剤(家庭用中性洗剤や専用洗浄剤)
- 柄の長いブラシ(高いところを洗浄するため)、スポンジなど
- バケツ
- 手袋、長靴
- 洗浄剤の準備
洗浄剤をバケツに用意します。専用洗浄剤を使用する場合は、説明書に従って希釈します。家庭用中性洗剤でも効果があります。 - 予洗い
外壁全体を軽く水で濡らします。これにより、表面のほこりや軽い汚れが除去され、洗浄剤が効果的に働きます。 - 洗浄剤で洗浄
ブラシやスポンジを使って外壁に洗浄剤を塗布し、高圧洗浄機の圧を「弱」にして洗い流すか、ホースの水圧とブラシで汚れをこすり落とします。上から下へと順番に洗浄すると、効率よく作業が進みます。 - すすぎ
最後に、残った洗浄剤をしっかりとすすぎ流します。残留洗浄剤があると、外壁にダメージを与えることがあるため、丁寧に洗い流しましょう。
洗浄後は、外壁がしっかりと乾くのを待ちます。乾燥させることで、カビや苔の再発を防ぐことができます。

自分で外壁洗浄をするメリット・デメリット
自分で外壁洗浄を考えている方は、メリットとデメリットをしっかりと理解した上で、慎重に行うようにしてください。
自分で外壁洗浄をするメリット

- 費用の節約ができる
何と言ってもこの費用の節約という点が一番のメリットではないでしょうか。専門業者に依頼する費用を節約し、自分で行うことで、必要な道具や洗浄剤の購入費用のみで済みます。 - 好きなタイミングでできる
自分の都合に合わせて作業ができるので、好きな時間に洗浄ができます。業者との日程調整の必要もなく、手続きなども不要です。 - 達成感を得られる
自分で外壁を綺麗にすることで、達成感や満足感を得られます。DIY好きの方にとっては楽しい作業になるでしょう。 - 細かな部分の対応ができる
自分のペースで作業を進められるため、特に気になる部分や細かな汚れにもじっくり取り組むことができます。 - メンテナンス知識の習得
自分で作業をすることで、外壁洗浄の技術や知識を学ぶ機会になります。これにより、今後のメンテナンスにも役立てることができるでしょう。
自分で外壁洗浄をするデメリット

自分で外壁洗浄をするのは、メリットだけではなく、もちろんデメリットも考えられます。主なデメリットを下記に挙げてみます。
- 労力と時間の問題
手作業での洗浄は時間と労力を要します。広い面積や汚れがひどい場合、かなりの作業量になるでしょう。 - 作業にリスクが生じる
高所での作業や高圧洗浄機の使用の場合は危険を伴います。安全対策を怠ると、転落や怪我のリスクがありますので注意が必要です。無理をせず、安全第一で作業をするようにしてください。 - 洗浄できる範囲が限られる
高所などは自分で洗浄できる範囲が限られるため、洗浄できない箇所が発生してしまう可能性があります。 - 洗浄不足
市販の洗浄材やブラシでは完全に汚れを除去できない場合もあります。頑固なカビ汚れなどは完全に汚れを除去することは難しいでしょう。 - 専門知識の不足
専門業者のような知識や経験がないため、適切な洗浄方法や洗浄剤の判断が難しいでしょう。誤った方法を使用すると、外壁を傷めてしまう可能性があります。 - 環境への影響
適切でない洗浄剤の使用は、環境に悪影響を与える可能性があるので注意が必要です。 - 仕上がりの差
プロの業者が行うような完璧な仕上がりを期待するのは難しいかもしれません。特に、頑固な汚れや大きな面積の洗浄では、プロの技術が必要となるでしょう。
このように、自分で外壁洗浄を行うことには、コストの節約や達成感といったメリットがありますが、労力や安全性、仕上がりの面でデメリットもあります。
自分で外壁洗浄を行う際はメリット・デメリット、それぞれのポイントをよく理解していただき、無理なくできる範囲で作業をしてみると良いでしょう。

自分で行うかプロに依頼するかは、自宅の外壁の状況に応じて慎重に判断することが大切です。特に大規模な洗浄や高所での作業は、プロの業者に依頼することをおすすめします。